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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第182号       ’03−09−05★

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     コーチング雑感

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●<コーチ>はどこにもいる

 

が、<コーチング>できる人、している人、は多くない、らしい。 で

なきゃ、改めて新語?<コーチング>として解説されることも無かろう。

 

数年前からチラホラし始め、特にこの1年、書物の類やセミナーが増え、

ついに先頃(8月20日)NHK<クローズアップ現代>、<あなたの

「やる気」引き出します>。 おおコーチング、全国区に昇格したな、、

 

いわく、「名選手には名コーチ。 管理職は名コーチたれ」、そのため

「双方向コミュニケーション▼がますます必要なのに、その能力が低下

している」。 実際、多くは上から下への一方通行。

 

  ▼第4号既述、双方向的でなきゃコミュニケーションとは言わない

   くらいのもんなんですがね、本当は。

 

それじゃまずい、「相手の言葉に徹底的に耳を傾けるテクニックを、、」

と「日産自動車では昨年から、管理職2800人全員に研修、、」の由。

有り難い、一度見たかった。 しかし結論: 疑問あり。

 

「国際資格を持った専門家が講師」、え?国際資格? 初耳。 画像の

印象だけで言うべきではないだろうが、そんなウヤウヤシイ<専門家>

には見えなかった。 板書きの内容も目新しくはないし、、 どころか、

 

<聞き役に徹する>テクニックの練習では、<好きな食べ物>を題材に

受講者同士でロール・プレイング。 歯が浮くというか、バカバカシイ

というか、、 私なら受講辞退だが、さすが日産幹部社員は紳士、

 

<相手の認め方>や<質問の仕方>など一通り学んで、「自分のマネジ

メントスタイルを見直す良いキッカケになった」、「考えが整理できた」

など優等生的感想。 しかしこりゃ、<使わない人>の言葉だよ、、

 

 

と思ったらハズレ、次は<使っている>場面。 「今まで自信のあまり

妥協せず、命令形で押し付けていた」と反省する現場リーダー。 その

座右には<テクニック一覧表>。 番号順に、

 

「挨拶する、名前を呼ぶ、誘う、仕事を任せる、お礼を言う、変化を気

付いて言う、目線を合わせる 相手を見る、相談をする、変化や成果の

事実を伝える、約束の時間を守る、ねぎらう 感謝する、誉める、会釈

する、メールに早く返事する、前に言ったことを覚えている、お土産を

買って帰る、、」 いや何とも、大変ですなあ。

 

  演技に気を取られて、仕事への集中が妨げられはしないか? いや、

  相手が気味悪がったりしないか? 誰かは思わず笑っちゃうかも、、

 

しかし彼はあくまで忠実。 部下が来ればサッと机の上を整理し、書類

は双方が読めるよう横向きに置く。 交わした言葉は即座に書き込んで

行く、、などでお互いに了解、ホガラカになる、、 と言うのだが、

 

今まで何もしてなかった、全然ホガラカでなかった、わけでもあるまい。

こんな風にすることが<コーチング>の MUST なのかなあ? 気になる。

 

*   *

 

マーケティングの部長氏も模範的。 出勤してくる部下に、「目を見て、

名前を呼んで挨拶」。 話す時は自分の方から出向き、部下の机の脇に

しゃがみ込んで視線の高さを合わせ、肩を並べ、自分の考えより相手の

考えを聞き、、 あれじゃちょっとやり過ぎね、、と、我が女房ですら。

 

手短かなルポだから仕方ないけれど、これがコーチング? 私の目には、

単なる<対話円滑化のテクニック>、しかも皮相的。 もちろん、形が

整えば中身もいずれ、、と期待することは出来るだろうが、<いずれ>

まで保ちますかね、コーチの根気が?

 

社交の場じゃないのだから仕事本位、中身重点、の方がお互いスッキリ

するだろうに。 <自動的に>形が整うツールもあることだし、、

 

*   *   *

 

解説は<日本語>の明大斉藤孝教授。 ナワノレンでなく「仕事の場で、

時間内に人間関係を作らなくてはならない時代」だから大変なのだ、と。

しかし「応答を重ねて増幅すると、新しいアイデアや意味が生じる」と。

 

前記各場面で欠けていた<何を生み出すか>をフォローなさったあたり、

さすが。 そして、「一方向では経験が生きない、インスパイヤされる

ことが大切。 序列を捨て、平にしてアイデアを出す」のが良い、とも。

 

  それが Rational Process のココロなんですよ、教授。

 

さらに、「対面でなく、間に紙を置くと客観視できる。 意見と人格の

混同を防ぐべき」と。 <紙>はツール、Rational Process のワーク

シートはまさにそのためのツール。

 

加えて、「ただ「どうなの?」ではカウンセリング」だ、と。 教授も

ルポの内容に疑問を感じておられたのかも。 と言うのは、

 

*   *   *   *

 

そのあと映された<個人向けコーチング>が、まるでカウンセリングの

ようだったからです。 しかも電話ビジネス、お客は学生から主婦まで。

 

週1回30分、月額2〜3万円。 <資格所有者>30人が電話ブース

に貼り付き、一見コール・センター。 「もっと具体的に言うと、どう

なる?」なんてやってる。  それ、<状況分析>SAの質問だぜ、、

 

  しかし世間は広い。 カネを払いたい人って結構いるんですなあ、、

 

最近お客が5倍に増えた、由。 有望なショーバイ! 別に認可制じゃ

あるまい、<資格>は MUST じゃなかろう、多分集客用アクセサリー、、

なら、電話さえあれば Rational Process 堪能者は即日開業可能、、

 

おっと脱線、「コーチを受けて良かった」人の話。 「初めに無条件に

全部聞いてくれるので、分かってもらえる感じ、、」。 ほら、まさに

カウンセリングを受けた人の感想。 だが続けて、

 

コーチの問いかけに答えて行く中で、自分の考えが少しずつ整理できて

行くのがコーチングの良さ。 自分がどうしたいのか、自分の気持ちを

確認することが出来る。 毎週ハッキリ整理がつく、掃除できる、、

 

  整理? 掃除? Rational Process 受講者のアンケートみたい。

 

とも言うから、コーチが訊き上手、聞き上手なことは分かる。 電話で

「言葉を聞くだけでなく、トーンや間を含めて、言葉の向こう側にある

ものから何かを掴み取って質問を出して行く。 それによって、その人

の可能性を引き出す」由。 <自分で自分が分からない>なんていう本

があったのを思い出しましたよ。 そういう人が沢山いるんだ、、

 

*   *   *   *   *

 

友だちとの話は愚痴でしかないが、コーチとなら一歩先に出た生産的な

話になる。 本当に大切なモノは何ですか?(SAのSUG評価?)と

問われるうちに、どうしようか、が固まる、由。 その点は斉藤教授も、

 

「取り留めなく流れる、その中で流してスッキリする、のが<世間話>。

フォーカスし、絞り、、を重ねて形にする、のが<コーチング>かも。

 

言葉というハンドルを付けて引っ張り出すとモヤモヤが幽霊でなくなる。

が、その言葉を自分で見付けるのが大変。 コーチはそれを助ける役。

 

<やる気>とは即ち言葉、ハッキリさせることです。」と。 やれやれ、

Rational Process のインストラクターのトークみたい。 だが、、

 

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●副題<「やる気」引き出します>

 

には些か抵抗あり。 第88号などでもコーチングに言及した私ですが、

<やる気>と結び付けたことは無かった。 たいていのことに効き目の

ある Rational Process ですが、無い人に<やる気>を生じさせるため

のツールではありませんから。

 

しかし、ちゃんと出勤して来ることが<やる気>の証明、とも言います。

つまり<無い>は、初めあったのが無くなった、ということ。 自然に

消滅するわけ無い、原因は?  敢えて言う、無くさせたのは、<上>。

 

彼らの身に着いた「ツマランこと考えず、ドンドンやれ!」的リーダー

シップが今は災いする。 何したら良いのか分かりにくい時代、人材の

質も働き方も変わり、リードの仕方も変わらざるを得ないのだが、

 

<命令形>が抜けず、「よく考えろ!」しか言わない。 「じゃ、どう

考えるんです?」と訊き返せば、「それを考えるのがお前の仕事、、」。

<丸投げ>するくせに権限は譲らない、、

 

では、あった<やる気>も無くなる。 即ちリーダーシップの問題、、

 

 

日産自動車的コーチングでは、ともかくも<一緒に考える>姿勢だから、

やる気の<消滅>は防げる、かも知れない。 が、<引き出す>ところ

まで行けるかどうか? それにはもっと<質問>しなくちゃ、、ねえ。

 

  類書の中では早く出た<部下を伸ばすコーチング 「命令型マネジ

  メント」から「質問型マネジメント」へ> (榎本英剛著 PHP

  1999年8月)のタイトルが物語る通りです。 大いに質問しなきゃ、、

 

まして<他人の手を通じて成果を挙げる>管理職、技術の高度化多様化

に伴って自分に無い専門能力を有する人々を束ねなくてはならないこと

が多い。 そこを補うにも<質問力>! しかも、やたら訊くのでなく、

ひたすらロジカルに。 でないと、社交的会話に堕する、、

 

といった点が抜けていて、<耳を傾ける>ことに偏ったルポでした。

 

*   *

 

もし Rational Process 式なら、整然と質問でき、部下はその質問に

答えつつ、シートの空欄が埋められて行くのを目の当たりにするうち、、

そうか? そうだったんだ! と気付き、あとは自力で問題解決。

 

さすが先輩! 感謝と尊敬の念が、、となる、はず。 そのようにして

築かれるのが<知的リーダーシップ>。 情報の時代、知的生産の時代、

リーダーシップも<知的>でなくちゃ、、

 

<コーチング>も<知的リーダーシップ>のためのスキルではあります。

が、説かれるのは(この番組に限らず)主に<姿勢>、ツールの提供が

無い。 各自、臨機応変に考えろ、、かな?

 

たしかに工夫は必要です。 が、一からではシンドイし、リーダーごと

のバラツキが大きくては困る。 何かガイドラインが必要、、 という

ことなら、お勧めはやはり Rational Process、、

 

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口を開けば Rational Process、何だろうとそこへ結び付けてしまう、、

と思われるでしょうが、それが可能なのはこの技法の<普遍性>ゆえ。

前にも申しましたが、<不易流行>の<不易>。

 

いわくリストラ、いわくリエンジニアリング、いわくコーチング、、、

<流行>にはキリがありませんが、<不易> Rational Process を

日常的に実践していれば、その都度右往左往せずに済むのです。

 

 たとえば<コーチングの5ステップ>なるものに沿って言うと、

  <1.現状の明確化>は、まさにSAそのもの。

  <2.望ましい状態の明確化>は、<あるべき姿>のこと。

  <3.現状と望ましい状態のギャップ発生原因の究明>は、PA。

  <4.行動計画の立案>は、DAプラスPPA。

  <5.フォロー>は、基本的にSA、達成失敗ならPA、、

 など。 どうしよう?と悩むこと、あなたにはありませんね。

 

このメルマガ毎度の<結び付け>(コジツケ、とも言われますが)は、

それをお分かり頂くための作業。 従って今回のCMは、もちろん、

 

 Rational Process は、コーチングを容易にするツール! 

                          ■竹島元一■

   ■今週の<私の写真集から>は ★近くて遠き、、★

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